カナタのグルメ

 

住宅街にポツンと佇む小さなお店

 

 

 

Ba7cafe(バナナカフェ)。

 

 

 

そこの名物「バナナミルクカレー」

が気になり来店。

 

 

 

机の前に置かれたカレーはやはり、不思議な見た目をしていた。

 

ルーに浮かんだバナナは想像以上にゴロゴロしている。

 

 

はじめましての人は不安に思うのだろう。

しかし、それもスプーンを口に運べば杞憂に終わる。

 

 

 

「ああ…美味しい。」

 

 

 

クリーミーなルーと

トロける食感のバナナが最高にマッチしている。

 

 

 

例えるならそれは

 

 

 

「数学」

 

 

 

味、食感、見た目、香り

 

全てが完璧な方程式を成しているのだ。 

 

 

 

肉も入っているのだが、それが丁度良い引き立て役になっている。

 

 

 

あくまで主役はバナナ。

 

 

 

 

ここまでの域に達するのにどれだけの時間を費やしたのだろう。

 

 

はじめて恋をした時のドキドキに少し戸惑っているあの感じが、このカレーにはある。

 

 

 

早く次の味を確かめたい!

 

 

とスプーンに手を伸ばしながらも、

 

 

このカレーとの別れの時が近づく事が寂しい。

 

 

 

 

恥ずかしながらおかわりを検討していたら、もうすでにラストオーダーを過ぎていた事に気付く。

 

 

「少し食べ足りないくらいが丁度良い」

 

 

 

そう自分を納得させながら遠い帰路につく。